
コラム
WordPressを放置することで生じるリスクとは?企業のWeb担当者が今すぐ知っておきたいこと【前編】
WordPressは無料で使えるオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)で、その使いやすさと柔軟性から、多くの企業や個人に採用されています。ホームページを立ち上げようとする時、まずはWordPressを検討するという人も多いことでしょう。 しかし、誰でも簡単に利用できる反面、セキュリティ対策への意識を持たずにWordPressを放置したりメンテナンスを怠ったりすると、深刻なリスクを招くことがあります。本記事では、その具体的なリスクについて詳しく解説します。 WordPressで起こり得る7つのリスク WordPressを適切に管理しないことで、ユーザーは以下のような不利益を被る危険性があります。 1. セキュリティ侵害によるデータ漏洩 サイトのハッキングにより、顧客情報やビジネスに関わる重要なデータが漏洩するリスクが高まります。これにより、顧客の信頼を失い、企業の評判が損なわれる恐れがあります。 2. マルウェア感染によるサイト停止 サイトがマルウェア(悪意を持って作成されたソフトウェア)に感染すると、正常に動作しなくなる場合があります。そうなると、サイトが一時的に閉鎖される、訪問者にウイルスが拡散されるといった、さらなる被害が発生するリスクがあります。 3. サイトのパフォーマンス低下によるユーザー離れ サイトの表示速度が遅くなり、ユーザーがストレスを感じて離れてしまう可能性があります。特に、オンラインショップやサービスサイトでは、売上やコンバージョン率に直結する重大な問題となります。 4. 表示崩れや機能不全による信頼低下 古いプラグインやテーマのせいで、サイトのデザインが崩れたり、一部の機能が正常に動作しなくなったりすることがあります。訪問者の信頼を失い、企業のブランドイメージが低下する危険性があります。 5. データ損失による業務の中断 定期的なバックアップが行われていないと、ハッキングや更新エラーによるデータ損失が発生し、業務の継続が困難になることがあります。復旧に時間とコストがかかった場合、ビジネスが停滞するリスクが高まります。 6. SEOの低下による集客減少 サイトのパフォーマンス低下やセキュリティ侵害が原因で、検索エンジンの評価が下がると、検索結果の順位が低下します。その結果、訪問者数が減少し、ビジネス機会の損失につながる恐れがあります。 7. 法的トラブルと罰則のリスク 特に個人情報を扱うサイトでは、セキュリティが脆弱でデータ漏洩が発生すると、法的な罰則や訴訟のリスクが発生します。その場合、企業は多額の損害賠償や罰金の支払いが生じるかもしれません。 なぜWordPressを放置するとリスクが高まるのか? WordPressは、世界中で最も使われているCMSです。そのため、サイバー攻撃のターゲットになる可能性も高く、適切なメンテナンスを行わないと、前述の通りさまざまなリスクが発生する可能性が高まります。その理由について見ていきましょう。 1. オープンソースの特性 WordPressはオープンソースであるため、誰でもそのコードにアクセスすることができます。これは開発者にとってはメリットなのですが、同時に攻撃者がセキュリティホールを見つけやすい状況を作り出します。定期的なWordPressのバージョンアップにより、そうした脆弱性が修正されますが、更新を怠ると古いバージョンのままとなり、攻撃者に狙われやすくなります。 2. プラグインとテーマの依存性 WordPressの柔軟性は豊富なプラグインとテーマに拠るものなのですが、これらもまた脆弱性の原因となり得ます。プラグインやテーマは外部のさまざまな開発者によって提供されるため、その品質やセキュリティレベルが一様ではありません。プラグインやテーマのアップデートを行わないと、これらが古いWordPressのバージョンや他のプラグインとの互換性を保てなくなることがあり、サイトの機能に問題が発生することがあります。 3. サーバーとホスティング環境の進化 WordPressはPHPやMySQLなどのサーバー環境に依存していますが、これらの環境も日々進化しています。サーバーソフトウェアのバージョンがアップデートされると、古いWordPressやプラグインが新しい環境と互換性を持たなくなることがあり、これが原因でサイトが正常に動作しなくなる場合があります。 4. 複雑な依存関係 WordPressサイトが成長するにつれて、複数のプラグインやカスタムコードが導入されることが一般的です。これらの要素は互いに依存関係を持つことが多く、ひとつでも更新が滞ると他の要素に影響を与えることがあります。結果として、サイト全体のパフォーマンスやセキュリティが損なわれるリスクが高まります。 5. 自動化されていないメンテナンスプロセス 多くのWordPressユーザーは、メンテナンスを手動で行う必要がありますが、これが負担となり、更新が後回しになることが多いです。自動化されたセキュリティパッチの適用や、バックアップ機能が不足している場合、アップデートを怠るリスクがさらに高まります。これによりサイトが古くなり、脆弱性が残ったまま運用されることになります。 リスクを防ぐためにできること ここでは、WordPressのセキュリティとパフォーマンスを維持するための具体的な対策をいくつか紹介します。 1. WordPressとプラグインの定期的な更新 WordPress本体、プラグイン、テーマのアップデートは、最も基本的であり重要なメンテナンス作業です。開発者はセキュリティホールを修正した新しいバージョンをリリースしているため、これらを常に最新の状態に保つことで、脆弱性を狙った攻撃からサイトを守ることができます。 2. 信頼できるプラグインとテーマを選ぶ すべてのプラグインやテーマが同じ品質を持っているわけではありません。そのため、公式のWordPressリポジトリや、評判の良い開発者が提供するプラグインやテーマを選ぶことをお勧めします。また、使用しなくなったプラグインやテーマはすぐに削除し、セキュリティリスクを最小限に抑えましょう。 3. セキュリティプラグインの導入 セキュリティを強化するためのプラグインを導入することも効果的です。例えば、ファイアウォール機能やログイン試行の制限、二段階認証の設定など、WordPressの標準機能を補完することで、サイトの防御力を向上させることができます。 4. 定期的なバックアップ 万が一、ハッキングやシステム障害が発生した場合に備え、定期的なバックアップを行うことは必須です。自動バックアップの設定を活用し、万が一の際に迅速に復旧できる体制を整えておきましょう。 5. サーバー環境の強化 サーバー自体のセキュリティも見直すべきポイントです。最新のPHPバージョンの使用や、SSL証明書の適用、サーバーレベルでのセキュリティ設定を行うことで、WordPressのセキュリティリスクをさらに軽減することができます。 メンテナンスフリーの選択肢としての「Crefar」とは? ここまでご紹介してきた通り、WordPressの安全な運用には多くのメンテナンスが必要です。しかし、WordPress初心者や、セキュリティに対する知識があったとしても、他業務で多忙を極める担当者にとっては負担が大きいもの。「もっと手軽に、リスクを最小限に抑えてWebサイトを運営したい」という方も多いのではないでしょうか? そこで【後編】では、クラウドCMSサービスのCrefarが提供するメンテナンスフリーのサポート体制について詳しくご紹介します。WordPressと比べてどのようなメリットがあるのか、なぜCrefarが企業に選ばれているのか、その理由を明らかにします。