コラム

DXと言われても……。未来志向のあるべき姿の導き方

2024.05.01
  • コラム
  • 近年、ビジネスの世界では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」がキーワードとして頻繁に取り上げられています。
    しかし数年が経った今でも、その具体的な意味やビジョンについて理解している会社は実は多くありません。
    この記事ではDXの基本知識、そしてDXを軸にして会社がどのような未来の姿を目指すべきなのかを探ります。

    DXって結局どういうこと?

    経済産業省のIT政策実施機関であるIPAが発表した『DX白書2023』では、「企業の競争環境は急速に変化しており、効率化やコスト削減のためのIT活用だけでなく、新しいビジネスモデルやサービスを創出するDXが不可避となっている」と説明しています。
    重要なのは「新しいビジネスモデルやサービスを創出する」という点です。そもそもtransformationは、「変換」を意味する英単語です。optimize(効率化)やreduction(削減)でなく、トランスフォーメーションを使っているのがポイント。つまり、デジタルを活用して自社のビジネスモデルを変換することが目指すべき未来です。

    簡単に言えば、「御社の商品やサービス、または事業プロセスをデジタルの力でガラリと変えましょう。そして顧客に新たな価値を提供しましょう」ということになります。そうすることで企業の競争力が向上し、収益が増加します。
    DXは経済産業省がリードする「国策」であることから、目指す未来像は日本の産業が再びグローバルで存在感を発揮する姿だといえます。

    なぜDXが必要なの?

    背景には、日本が直面する少子高齢化による社会構造の変化があります。大量にモノをつくって売る「モノ消費」という従来のビジネスモデルでは、人口が減少して市場規模が縮小していく日本ではもはや発展が望めません。老朽化する社会インフラや旧式ITシステムの保守要員、福祉や農業を担う人材の不足も懸念されています。
    これまでのやり方をそのまま続けていては、日本経済は衰退するばかり。固定観念を捨て、大胆な発想と柔軟な思考で、新たな収益の上げ方を生み出していく必要があるのです。

    この時に有効なのがデジタルであり、デジタルデータを収集・処理・伝達するテクノロジーです。DXはIT化が目的ではありません。あくまでもビジネスモデルの変換という目的を達成するための手段なのです。

    DX成功に向けたファーストステップ

    DXの成功には経営層の意識変革が不可欠です。なぜならば、過去の成功事例に囚われチャレンジを避ける前例主義やトップダウンの指示命令系統、先進技術への見識不足など、日本企業トップ層のレガシーな体質がDX遅れの原因だといわれているからです。
    企業文化や風土の改革、そしてDX推進に向けたビジョンの確立がスタート地点となります。その上で、達成に向けた戦略の策定・実行・評価のプロセスを早いサイクルで繰り返して、失敗を学習しながら進めることが大切になってきます。
    この時に必要なのがサイクルを回すDX人材であり、ITツールやシステムです。

    ホームページからDXを始める

    ここまでの説明では話が壮大で、自社では実行しづらいと感じたかもしれません。
    しかし実は難しいことではなく、私たちにとって身近な存在であるホームページが、DX成功への足がかりとして有効なのです。

    会社がホームページを開設する目的は、大まかに次の項目ではないでしょうか。

    • 商品やサービスの周知
    • ブランディング
    • 見込み客や顧客の獲得
    • 社員の採用

    どれも最終的には売上向上につなげることが目的ですよね。
    こうした従来の役割だけでなく、DXにホームページを活用する企業があります。いくつかの具体例を紹介しましょう。

    オムニチャネル体験の構築

    小売業の企業がホームページ上でのオンラインショッピングと実店舗での販売を統合し、在庫管理や顧客情報を一元化。顧客はオンライン・オフラインを自由に行き来しながらシームレスな体験を享受できる。

    パーソナライズされたコンテンツの提供

    メディア企業はユーザーが過去に閲覧したコンテンツや検索履歴を活用して、ホームページ上で個別にカスタマイズされたコンテンツを提示。ユーザーエンゲージメントが向上した。

    マーケティングオートメーションの導入

    B2B企業がホームページ経由でのリードを自動的にキャッチし、マーケティングオートメーションツールを活用してリードナーチャリング(見込み顧客の購買意欲を高めて将来的な受注につなげる)やセールスサポートを行う。これにより、販売プロセスの迅速化が実現した。

    AIチャットボットの導入

    サービス提供企業がホームページ上でAIチャットボットを導入し、顧客の質問に対応。顧客の要望に迅速に応じ、効率的なサポートを提供した。

    デジタルフォームとワークフローの最適化

    金融機関がホームページを通じて、口座開設や融資申請などのプロセスをデジタルフォームにより簡素化。手続き時間が短縮し、エラーが減少した。

    これらの事例からはさまざまな業界の企業がホームページを足がかりにして、新たな顧客体験や価値を提供していることがわかります。事業者側も業務の自動化や効率化といったメリットを享受しています。またアイディア次第では蓄積したデータを活用して、新たなビジネスやサービスを生み出すことも可能でしょう。
    自社のビジネスモデルを変革することは容易なことではありません。しかし事業に必要不可欠なホームページを上手に活用すれば、DXの第一歩にできるのです。

    まとめ:ホームぺージをDXに活用しよう

    ここまでDXの概略や国策として推し進められている背景、活用事例をご紹介しました。

    大切なのはDXを理解し、自社のさらなる発展を目指して、できるところからDXを進めること。そのためにまず、身近な存在であるホームページの活用をおすすめします。

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    参照情報:
    ・独立行政法人 情報処理推進機構『DX白書2023