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LPOの重要性・・・ターゲットによってクリエイティブ・訴求内容を変更してみる

2023.09.05
  • コラム
  • Webマーケティングにおいて、コンバージョン(目指す最終的なユーザーのアクション)率は重要な指標です。
    資料請求や会員登録、商品の購入等、利益につながるアクションをコンバージョンとして設定することが多いでしょう。
    ユーザーにそうした行動を起こしてもらうために用意するのが、LP(ランディングページ)です。

    本記事ではLPの基本的な知識と共に、効果的なLPへ改善する「LPO」の重要性、そしてLPOを行う際のポイントをご紹介します。

    LPとは?注目したい特徴

    ランディングを直訳すると、飛行機等の着陸。Webにおいてはユーザーが着地するページという意味で、ランディングページ = Landing Page略してLP(エルピー)と呼びます。
    広義ではWeb広告や検索エンジン等から流入してきたユーザーが最初に訪れたページのことで、Webサイトの分析では重視される指標のひとつです。

    一方でLPには狭義の意味もあり、冒頭でお伝えしたように資料請求や会員登録、商品の購入等、利益につながるアクションを起こさせることを目的にしてつくられたページのことを表します。
    複数のコンテンツページから成るホームページとは違い、LPは縦長の1ページのみ下にスクロールして閲覧する構成が主流です。

    これはコールトゥアクション(Call to Action / CTA)、つまり訪問者に対して特定の行動を促す要素や文言を明確に示すことのみに特化しているため。
    余計な要素やリンクを排除し、主要なメッセージを伝え、CTAに徹底的に焦点を当てているのです。

    具体的にはシンプルなデザイン構成を主体にして、「今すぐ購入」「無料ダウンロード」「詳細を見る」などの魅力的な文言を施したクリックボタンやリンクを最下部に配置して、コンバージョンへの誘導を行う構成が一般的です。

    <例> PRIMERA JAPAN(プリメーラジャパン)日本公式ホームページ

    LPO (LP Optimization) が重要な理由

    ホームページは情報提供が主目的であり、ある程度の時間をかけて見込み客へアプローチするという特徴を持ちます。
    一方でLPは即効性が高く、公開後にすぐ成果が出ることもあります。そのため効果を感じなければ、LPの内容を変えて再び効果を測定するというPDCAを高速で回すことが可能です。

    つまりLPのデザインやCTAを変更したり読み込み速度を迅速化したりといった、最適化を行うことによって、短期間でコンバージョン率を向上させることも可能なのです。そのためLPOはWebマーケティングを進める上で、外せない施策といえます。

    ターゲットによってLPのクリエイティブ・訴求内容を変更する

    ユーザーにはそれぞれ違った興味・関心・ニーズがあります。そのことを踏まえて自社がターゲットとするユーザーを明確化し、ターゲットに訴えるためのLPOを実施します。
    具体的には画像・イラスト・色といったクリエイティブの選定、ヘッドラインやアクションを促すボタンやリンクであるCTAのワーディング、配置する位置等を考慮したLPの制作です。

    例えば、若年層向けの商品やサービスの場合、明るくカラフルなデザインやSNSとの連携など、より若々しい印象を与える訴求が有効です。一方で、高齢者向けの商品やサービスの場合、フォントサイズを大きくする、シンプルなデザインにするなど、わかりやすく使いやすいLPが必要となります。

    LPOを成功に導くステップ

    LPの最適化はどのように進めていけばよいのでしょうか。成功に近づくためのステップをご紹介します。

    データの収集

    まずは現状を把握することが大切です。アクセス数やコンバージョン率、ユーザーの行動などのデータを収集し、確認しましょう。

    現状の分析と問題の特定

    現状データの分析を通じて、LPの問題や改善のポイントを特定します。訪問者の離脱ポイントやクリック率の低い要素がどこなのか等を見ていきましょう。例えばすぐに離脱しているならば、キャッチコピーや画像に魅力がないなどファーストビューに課題があると仮定できます。

    目標の設定

    問題解決を施した後の具体的な目標を設定します。コンバージョン率の向上、フォームの提出率の増加などです。

    A/Bテストの計画

    特定した問題や改善点に基づいて、A/Bテストの計画を立てます。変更する要素(ヘッドライン、CTA、画像など)を決定し、テストの実施方法を検討します。

    A/Bテストの実施

    複数のバージョンのLPを作成し、計画したA/Bテストを実施します。方法としてはA/Bテストツールを使う、広告代理店へ依頼する等の方法があります。
    A/Bテストでは異なるバージョンのLPを比較するため、1つの要素を変更することが重要です。複数の要素を同時に変更すると、どの要素が結果に影響を与えたのかが分かりにくくなります。

    テスト結果の分析

    A/Bテストの結果を分析します。各バージョンのLPのパフォーマンスを比較し、目標達成に対する影響や統計的な有意性を評価します。

    ベストプラクティスの適用

    テスト結果に基づいて最も効果的なバージョンを選択し、その改善点や要素をLPに適用します。成功した要素やデザインのベストプラクティスを採用し、LPを最適化します。

    継続的な最適化

    LPの最適化は継続的なプロセスです。定期的にデータを収集し、LPのパフォーマンスをモニタリングします。新たな課題や改善のポイントを特定し、継続的な最適化を行います。

    効果の検証が大切

    ターゲットに訴求できているかどうかの把握には、ヒートマップツールの活用が有効です。
    ヒートマップツールとはウェブサイトのユーザー行動を可視化するためのツールで、ユーザーがクリックした場所やユーザーがページをどれくらいスクロールしているか、ユーザーのマウスの動き等がわかります。
    分析結果がサーモグラフィのように色の濃淡で表さされるため、数字ではわかりにくい要素も可視化されてわかりやすくなるのが特徴です。

    有料・無料問わず、多くのヒートマップツールがあります。例えばMicrosoftが提供する「Clarity」は、LP上のユーザーの行動が色で表現されます。
    クリックされた箇所やよく見られている部分が一目でわかるので、仮説の検証や引きの良い箇所をページの上部に移動させるといった対応に使えます。
    そしてGoogleアナリティクスと連携が可能なため、ターゲットとするユーザーのデータと連動させて参照することができます。つまりターゲットに合わせて行ったLPOが、効果を発揮しているかをより緻密に測定・分析することができるのです。

    まとめ

    ターゲットの年齢・性別・興味・文化背景によって、行動パターンや好むビジュアルは異なります。そのためLPのコンバージョン率を高めるにあたっては、CTAボタンや文言の選択・配置、デザイン等をターゲットに合わせて最適化することが非常に重要だといえます。

    その時に忘れてはならないのは、まずターゲットを明確化すること。そしてターゲットへの理解を深めることです。この基本なくしては、いくらLPに変更を施しても効果を上げることはできません。

    その上で必要になるのがLPOに対する充分な経験と技能、高いクリエイティブ能力です。
    こうした要素を自社でカバーするのは難しいので、無理せず外部の事業者に相談するのがおすすめです。
    自社の事業成長にWebマーケティングの観点から伴走してくれる、プロの事業者を選びましょう。