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ドメインパワーの有効な活用方法

2023.07.12
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  • 「ドメインパワー」という言葉をご存知でしょうか?ホームページを運営するにあたり、検索エンジンからの自然流入を増やすためのSEO(検索エンジン最適化)は大事な施策。そこで重要になってくるのが「ドメインパワー」です。
    この記事ではドメインパワーとは何か、ドメインパワーを高めるメリットや取り組み方、そして有効な活用方法について詳しく解説します。

    「ドメインパワー」とは?

    始めに「ドメイン」について、おさらいしましょう。
    Webにおけるドメインとは、ホームページがどこにあるのかを判別するために使用される文字列のこと。「インターネット上の住所」と例えられることも多いです。

    そしてそこで使われるのがIPアドレスで、192.168.0.1のように数字が組み合わさって示されるものです。
    コンピュータにとっては数字の羅列で困らないのですが、人が識別するには難しくなりがちですよね。
    そこで利用しやすいように、数列を文字列に置き換えたものがドメインです。

    広く知られているドメインの例は、次の通りです。

    1. google.com
    2. facebook.com
    3. amazon.co.jp
    4. apple.com
    5. yahoo.co.jp

    そしてドメインパワーとはその名の通り、ドメインの力です。
    ここで言う力とは、Webサイトの権威性や信頼性のこと。「ドメインがどのぐらいの権威と信頼性を持ち、検索エンジンからどう評価されているか」。その指標がドメインパワーなのです。

    指標とはいえ、最小値や最大値というものは存在しません。Googleなどの検索エンジンが独自のアルゴリズムに基づいて評価しているものになります。

    ドメインパワーが強いことで得られるメリットは?

    ここまでの説明の通り、ドメインパワーは検索サイトによる評価の指標。そのため評価が高いほど検索順位が上がり、検索サイトで上位に表示されるためユーザーの目に留まりやすくなります。

    その結果、ホームページへの流入を増やすことができるでしょう。 また新しくWebページを更新した際、ドメインパワーが強いほど巡回(クロール)する検索エンジンに登録(インデックス)されやすくなります。

    複数のキーワードで検索された場合にも上位に表示されやすくなり、多くのユーザーの目に触れる機会が増します。 つまりドメインパワーを高めることは、PVの増加に大きく貢献するのです。

    ドメインパワーはどのように評価されているの?

    独自のアルゴリズムなので構成要素は非公表ですが、一般的には次の項目がドメインパワーの構成要素だとされています。

    ドメインの運営期間

    ホームページのドメインが登録されてから経過した年数を指します。古いドメインは信頼性が高く、長期的な取り組みを行っていると評価される傾向があります。

    ドメインの信頼性

    HTTPSプロトコルの使用やSSL証明書を取得しているかどうか、スパム行為等の不正行為の履歴、信頼できる情報源からの引用や正確な情報提供等の要素から判断されます。

    被リンクの数や質

    他Webサイトからの被リンクの数や質が高い場合、ホームページの評価が高くなる傾向があります。

    コンテンツの質

    コンテンツの情報量や新しさ、内容の正確さ、読みやすさ等、ユーザーにとって価値があると判断されると、評価が高くなる傾向があります。

    表示速度

    ホームページの読み込み速度を評価する指標で、速度が遅い場合はユーザーの利便性が低下するため、評価が低くなる傾向があります。 ユーザーにとって有益な情報を提供する信頼性の高いWebサイトを上位に表示させることが、検索エンジンの目的。そのための判断基準として、ドメインパワーを用いているのです。

    ドメインパワーをチェックする方法

    ホームページ運営者側がドメインパワーを知ることはできるのでしょうか?答えは「Yes」で、専用ツールを利用することでチェックできます。具体的なツールの例としては以下の通りです。

    Ahrefsの「Site Explorer」

    対象サイトの被リンク調査、流入キーワード調査、有料検索広告のキーワード調査などを行うことができます。

    Mozの「Domain Authority」

    ドメイン権威度(Domain Authority)や、ランキングに関するキーワードなどを表示します。ドメイン権威度とはMozが開発した独自の指標で、0から100のスコアで表されます。

    SEMrushの「Domain Analytics」

    SEO、広告、SNS、コンテンツマーケティングなどオンラインの様々な領域で、競合サイトの調査・分析を行えます。 こうした複数のツールを併用することで、より正確な評価結果を得ることができるでしょう。

    ドメインパワーを高めるために取り組むべき5つの施策

    それでは具体的にどのようにすればドメインパワーを高めることができるのでしょうか。
    それは、前段でご紹介したドメインパワーの構成要素とされている項目に即してホームページ運営を行うことです。

    被リンクを増やす

    外部サイトからの被リンクはドメインパワーを向上させるために非常に重要ですが、闇雲に数を追うのではなく、信頼性の高いサイトから被リンクを獲得することが大切です。 SNSで自社のコンテンツを宣伝してシェアを促す方法等もありますが、最も有効なのは多くのサイトがリンクしたくなる上質なコンテンツを作成して、自然な形でリンク獲得を目指すことです。

    ソーシャルシグナルを増やす

    ソーシャルシグナルは、サイトがどれだけ注目を集めているかを示す指標の一つです。SNSでのシェアやいいね数を増やすことで、ホームページの知名度を上げることができます。

    スピードアップ

    ホームページの読み込み速度が遅いとユーザーからの評価が下がり、検索エンジンの評価も低下します。読み込みを速めるためには画像ファイルの最適化や、不要なコードの削除・ファイルの結合・圧縮を行うCSSやJavaScriptのチューニング、キャッシュの活用等が挙げられます。

    SEO対策を実施する

    SEO対策を実施することで検索エンジンに対して正確な情報を提供し、評価を高めることができます。

    高品質なコンテンツを提供する

    正確で鮮度が高く、わかりやすくて読みやすい。そのような質の高いコンテンツを作成することは、何よりも優先すべき取り組みです。検索エンジンの評価が高まることはもちろん、前述の通り他サイトからの被リンクを増やすことにもつながります。コピー&ペーストや、他のサイトからのコンテンツの転載は、検索エンジンの評価でマイナスとなるので注意しましょう。

    これらの施策を実施することで、ドメインパワーの向上が期待できます。しかし、ドメインパワーが高まるまでには数カ月単位の時間がかかるため、焦らずにじっくりと取り組むことが大切です。

    ドメインパワーの有効な活用方法

    自社のホームページのドメインパワーは、PVに大きな影響を及ぼすことをご説明しました。
    そればかりでなく専用ツールを使えば、他Webサイトのドメインパワーを調査することも可能なため、他サイトの強いドメインパワーを自社ホームページの運営に活用することもできます。

    例えばドメインパワーが高いサイトからの被リンクは自社ホームぺージの信頼性とブランド力を高め、プレスリリースの配信やブランディングに活用できます。

    またドメインパワーの高いサイトに自社のコンテンツを配信することで、より多くの人に届けることができます。そのためドメインパワーの高いサイトに対して、ゲスト投稿等のコンテンツマーケティングを行うことも有効です。

    いずれにしても言えることは、強いドメインパワーからの被リンクを得たりドメインパワーの活用を試みたりするには、自社ホームページの質もそれに見合うものでなければなりません。

    まとめ

    自社ホームページのドメインパワーを高めるにしても、他サイトのドメインパワーを活用するにしても、基本となるのは質の高いコンテンツです。ユーザーにとって価値ある情報を提供し続けることで検索エンジンの評価が高まり、リピーターも被リンクも増えていきます。

    小手先の手法や細工で一時的にPVが増加しても、本来目指している目標の実現にはつながりません。地道で時間もかかりますが、質の高いコンテンツを継続的に更新し続けることが何よりも大切です。