コラム

企業ブランディングを可視化してみる

2024.04.24
  • コラム
  • 企業が成功するために、ブランディングはとても重要です。しかしブランディングは単なるネーミングやロゴデザインだけに留まりません。会社の使命や価値観を伝えることで消費者の心に刻まれ、信頼と共感を築く力強いストーリーを伴うものです。
    本記事では企業ブランディングを可視化する重要性と方法、そしてその効果を探っていきます。

    「ブランド」そして「ブランディング」とは

    ブランドとは、他と差別化することを目的にした要素(名称、ロゴ、キャラクター、デザイン、シンボル等)を指します。しかしただ識別するための特徴ではなく、信頼性や込められた想い、背景にある歴史までもが表現され、消費者に「価値がある」と認識されているものという解釈が一般的です。 そしてブランディングは要素を組み合わせて、特定のイメージや価値があるものとしての認識を形成し、顧客や対象市場に伝えるプロセスと戦略です。

    以上を踏まえると、企業ブランディングとはミッション、ビジョン、価値観等を目に見える要素にして組み合わせて表現し、自社の社会的なイメージを確立するための施策だといえます。

    企業ブランディングの基本となるブランドストーリーの重要性

    商品やサービスの紹介が目的ならば、スペックや使い方等、実用に役立つ情報を伝えるだけでよいでしょう。 一方でブランドストーリーは企業の歴史や創業者の想い、展開する事業のコンセプト等を伝えるための物語です。このブランドストーリーがブランドのアイデンティティを鮮明にして、独自性を強調します。ブランドストーリーを通じて消費者は企業を単なるビジネス組織ではなく、情緒を伴う人間的な存在として認識するようになります。
    すると徐々に消費者は企業に対して共感や愛着を覚えるようになり、長期的な関係性の構築が期待できるのです。

    具体的な例として、Appleのブランドストーリーが挙げられます。Appleは革新的でデザイン重視のテクノロジーカンパニーというイメージを多くの人が持っています。彼らのブランドストーリーは創業者スティーブ・ジョブズのビジョン、デザイン哲学、使命に焦点を当てています。Appleの広告は詳細な説明やナレーションはなく、直感的でシンプルなキャッチコピーのみということがほとんどです。これは革新性、創造性、シンプルさを強調しており、Appleのブランドストーリーを反映しています。

    一方でiPhoneの製品説明は具体的な機能、仕様、技術的な詳細に焦点を当てています。例えば新しいモデルの発表ではカメラの解像度、ディスプレーサイズ、プロセッサの速度等が詳細に説明されます。これは購買決定に役立つ情報ですが、ブランドの魅力を表現するものではありません。

    売上増加やリードの獲得、トラフィック増加、コンバージョン率向上など、顧客企業の具体的な目標にコミットした運用を行います。 測定可能な数値目標を設定して、データを収集。解析結果からホームページの最適化を行い再び効果を測定するという、データに基づいた運用が特徴です。

    企業のブランドを可視化するための要素

    企業のブランドを可視化するためには、さまざまな要素が必要です。これらの要素はブランドのアイデンティティを視覚的・感覚的に表現します。企業のブランドを可視化するための要素には、以下があります。

    ロゴデザイン

    ロゴはブランドの視覚的な中心要素であり、ブランドのアイデンティティを象徴します。

    カラースキーム

    カラーは感情やイメージを伝える重要な要素です。ブランドには特定のカラースキームがあり、一貫性を保つために重要です。

    フォント

    フォントはブランドの文字スタイルを定義します。ブランドに適したフォントを選択し、統一して使用することでブランドの一貫性が維持されます。

    トーン&マナー

    ブランドのコミュニケーションにおいて使用されるトーン(口調・色調・明度等の雰囲気や調子)とマナー(その使い方)は、ブランドの個性を表現します。これらはブランドのメッセージと一致するように調整されることが多いです。

    Webサイトデザイン

    Webサイトは企業のオンラインプレゼンスの中心であり、ブランドの可視化において非常に重要です。Webサイトのデザインは、ロゴ、カラースキーム、フォント、写真、コンテンツスタイルと一致する必要があります。

    パッケージデザイン

    製品を提供する企業の場合、製品パッケージはブランドの可視化の重要な要素です。パッケージデザインは陳列においてブランドを際立たせて、購買決定に影響を与えます。

    広告とプロモーション素材

    広告、ビデオ、印刷物、デジタル広告、ソーシャルメディアコンテンツなど、ブランドの宣伝素材はブランドメッセージを伝えるための重要な手段です。

    店舗デザイン

    実店舗を運営する企業の場合、店舗デザインはブランドを可視化する重要な要素です。店内のデザイン、レイアウト、デコレーションは、ブランドの一貫性を維持し、ブランド体験を向上させます。

    こうした要素はブランドの一貫性を確保し、消費者がブランドを識別しやすくすることを助けます。企業ブランディングを成功させるためにはこれらの要素を戦略的に調整し、活用することが必要です。

    その際に役立つのが、ブランドの「スタイルガイド」です。スタイルガイドは社内外のスタッフや外部のクリエイティブプロフェッショナルが共有するルールで、ロゴの使用方法、カラースキーム、フォント、トーン、写真スタイル等の視覚的要素に関する指針を提供します。

    ブランディングとコンテンツマーケティングとの連携

    コンテンツマーケティングは、企業やブランドが有益な情報やメッセージをコンテンツとして作成・配信することで、消費者との関係を構築・強化するデジタルマーケティング戦略の一部です。そして、ブランディングの有効な施策でもあります。期待できるブランディング上の効果としてはブランドストーリーの浸透やブランド認知度の向上、ブランドの成長促進等が挙げられます。

    なぜコンテンツマーケティングがブランディングに有効なのか。それはコンテンツマーケティングがブランドのストーリーを深化させ、消費者に企業に対する理解を促すのに適しているため。そしてコンテンツによって、企業の価値観を届けることができるためです。

    コンテンツマーケティングの例としては、自社Webサイト内でのコラムやブログの更新、デジタルマガジンや動画の配信、メールマガジンなどが挙げられます。コンテンツの内容と、それを届けたいユーザー像に合わせて、最適な戦略を選択することが重要です。

    中でもWebサイトでのコラムやブログの更新は最も手軽に始められるコンテンツマーケティングです。この時に意識したいのは自社のブランドストーリーを踏まえたデザインをWebサイトに施し、則したメッセージをコンテンツとして発信し続けること。そうすることで自社ホームページは情報が蓄積されるストック型メディアという資産になる上に、企業ブランディングにおいても重要な役割を果たします。

    まとめ

    企業ブランディングは使命やビジョン、価値観などを要素として構築することで、独自性と信頼性を強化します。企業のイメージを消費者に深く刻み込むことは、競争の激しいビジネス環境で成功するために不可欠です。
    もしもこれまで企業ブランディングを行っていない、もしくは形としてアウトプットしてこなかったならば、一度可視化のプロセスを行ってみてはいかがでしょうか?
    漠然としていたものが目に見える形となり、消費者に御社の価値を伝える助けとなるはずです。