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ホームページをリニューアルしてWebマーケティングでリードを獲得する➁ ~プリメーラジャパンの実例編~

2023.05.15
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  • ホームページを活用して見込み顧客(リード)を獲得するためには、戦略的なWebマーケティングの施策が必要です。
    前回の「ホームページをリニューアルしてWebマーケティングでリードを獲得する① ~知識・準備編~」では、代表的なWebマーケティング手法をご紹介しました。
    本記事ではWebマーケティングの観点を持つホームページへリニューアルを行い、リード獲得につなげた企業の実例をご紹介します。

    世界的特殊印刷機器メーカーがホームページをリニューアルした背景とは?

    米国ミネソタ州プリマスに本社を置くPrimera Technology, Inc.は、特殊印刷機器で世界有数のメーカーです。

    食用インクプリンター・カセットプリンターなど、幅広い製品を世界200以上の国と地域で販売。日本ではプリメーラジャパンとして、小ロット印刷に強い製品を展開しています。
    事業者の使用を想定した製品のため家電量販店での店頭販売ではなく、主にオンラインで販売を行っています。
    そのためWebマーケティングは必要不可欠な施策です。

    日本では公式ホームページ・公式オンラインショップと共に、公式のInstagram・Facebook・Twitterを開設しています。
    SNSから流入した訪問者に対しては、製品の特徴を簡潔に伝え、目を惹くビジュアルを使った単ページのランディングページ(以下LP)を用意。
    問い合わせフォームへのクリックボタンを設置して、訪問者のアクションを促しています。

    PRIMERA JAPAN

    同社のLPはユーザーが知りたい情報が凝縮してあり、高いコンバージョン率を誇っています。
    ※コンバージョン率とは目指す成果をどれだけ達成できているかの指標。

    有効なWebマーケティング施策としてLPが機能する一方で、公式ホームページは製品一覧が中心のシンプルな構成で、能動的な働きがありませんでした。
    そのため社内からは「ホームページもリード獲得のツールとして活用してはどうか」との声が挙がり、リニューアルを行うことになったのです。

    ホームページを活かすために課題を抽出 その解決策は「鮮度の高い情報発信」

    製品の性質上、頻繁に仕様変更や発信するニュースがあるわけではありません。必然的に更新頻度は低くなり、検索サイトのクローラー(検索結果の表示順位を決めるためのプログラム)に認識されにくくなっていました。
    その結果、表示順位が下がってしまい訪問数も増えないという悪循環を招いていたのです。
    課題を抽出した上でプリメーラジャパンが重視したのは、鮮度の高い情報発信でした。

    そうして採り入れたのが、「コラム」と「導入事例」の掲載です。これらは更新頻度や内容の自由度を高められ、情報発信の主導権が取れる。つまり発信側によるコントロールが可能なコンテンツです。
    更新頻度を上げるためには担当スタッフが効率よく作業できることが大切になります。そのためホームページのリニューアルを行う際は、直感的な操作性を備えたCMSを選ぶことも大事なポイントです。

    ホームページのリニューアル後に投稿を開始したコラムは「おしゃれなラベルの作成方法」や「デザインの豆知識」といった、訪問者に「読んで得した」と思わせる内容になっています。
    また導入事例では、プリメーラの印刷機を導入した小規模事業者によるラベルの写真をふんだんに使用。用途や導入前後のエピソードと共に発信して、利用イメージを膨らませる助けにしています。

    PRIMERA JAPANの導入事例

    コラムや導入事例には、ラベル印刷にまつわるワードが自然と多く盛り込まれます。
    必然的にSEOの役割も果たし、ラベル印刷に課題やニーズを持っている層の流入を促しました。

    更新を継続することでページ数が積み重なり、ホームページとして充実します。それに伴い検索エンジンの評価も高まります。
    即効性はありませんが、確実に効果を期待できるため取り入れたい施策のひとつです。

    その他に取り入れた施策としては、「カタログのダウンロード」と「EFO(Entry Form Optimization / エントリーフォームの最適化)」があります。

    カタログのダウンロード

    誰でもすぐにダウンロードできる状態にするのではなく、会社名や担当者名、住所、連絡先等の情報入力を必須にします。こうすることで、顕在顧客(自身の課題やニーズを認識する層)であった訪問者が見込み客(購買に近い層)となり、次のアプローチが可能になります。

    EFO

    情報の入力に時間がかかったりわかりづらかったりすると、離脱率が高まってしまいます。プリメーラジャパンでは以下のEFOを施し、入力の手間を極力省く工夫を行いました。

    • プルダウンやチェックボックスを取り入れる
    • 入力項目数を最適化する
    • バリデーション(入力エラーを判別し、エラー部を赤字で表示)を施す

     

    ホームページを起点にしたデジタルマーケティングも可能に

    獲得した顧客情報はExcelファイル等に手動で入力して管理する方法の他、CRM(顧客管理システム)を利用する方法もあります。
    さらにMAツールを導入することで、見込み顧客の興味やスコアに合わせたメールや、設定したシナリオに沿ったメールを自動で配信することが可能になります。

    CRMやMAツールは、API(ソフトウェアやプログラム、Webサービスの間をつなぐインターフェース)を使ってCMSと連携することができます。
    API連携によって、DMP(インターネット上に蓄積された情報データ管理プラットフォーム)との連携も可能になります。
    そうすれば自社で取得・保有したデータばかりでなく、人口統計やSNSデータ等の外部情報も統合してマーケティングに役立てることができるようになります。

    つまり様々な外部ツールとCMSをAPI連携することで、ホームぺ―ジを起点にしたデジタルマーケティングへ発展させることもできるのです。

    まとめ

    プリメーラジャパンがホームページをリニューアルした結果、PV数は3倍に増え、訪問者の滞在時間も大幅に増加。それに伴いコンバージョン(問い合わせ)率も高まりました。

    ホームページは24時間365日休みなく働き続ける営業ツールになり得ます。セールススタッフは空いた工数を他の業務に振り分けたり、新たな取り組みを行ったりできるようになります。
    また前段でご紹介した通り、APIでCRMやDMP等の情報資源への連携も可能です。強力なマーケティングツールになると共に、アイディア次第では新たなサービスを生み出せるかもしれません。
    ホームページのリニューアルは既存事業の売上向上ばかりでなく、その先の新たな事業領域への可能性も秘めているのです。

    DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が叫ばれる中で、目指すべきDXの姿を模索する事業者は多いでしょう。
    しかしどのような方向性だとしても、デジタルマーケティングの基盤を整えることは必要不可欠です。
    そしてWebマーケティングの施策を取り入れたホームページへのリニューアルは、その最初のステップとして最適です。

    そうは言っても既存のホームページが潜在的・顕在的に抱える課題を洗い出し、ベストな解決策を導き出すことは容易ではありません。
    さらに戦略に沿ったホームページを企画・制作し、改善を施しながら運用まで全てを自社内で完結するのは至難の業といえます。
    そんな時は無理せず専門の事業者に支援をお願いするのも一つの手です。伴走型のホームページ制作・運用支援会社は心強い味方になるでしょう。