コラム

フロー型とストック型コンテンツの役割と効果的な運用法

2024.08.15
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  • 企業のホームページやオウンドメディアは単に必要な情報を発信するのではなく、訪問者を惹きつけ、繰り返し訪れたくなるコンテンツ戦略が必要です。中でも「フロー型」記事と「ストック型」記事という、異なるタイプのコンテンツでのアプローチは効果的です。
    本記事では、フロー型とストック型記事の役割や重要性を探り、成功を支えるコンテンツ戦略について具体的な事例を交えてご紹介します。

    Webコンテンツにおける「フロー型」と「ストック型」とは?

    フロー型は英語のFlowから来ており、その意味通りどんどん流れていくコンテンツを指します。情報の「旬」に合わせて即時で更新を行うためリアルタイム性に富み、読み手の短期的な興味関心を引きやすい特徴があります。具体的には最近の出来事やトレンドを報じるニュース記事、イベント告知、季節に関連した情報などがフロー型コンテンツとして挙げられます。

    一方のストック型は英語のStock=蓄えるの意味で、長期的な価値を持ち、時が経っても有用性が維持されるコンテンツを指します。具体的にはトピックに対する解説やガイド、成功事例、ハウツー記事などがストック型の一例です。

    フロー型コンテンツの役割・メリット・デメリット

    新規ユーザーの獲得

    多くのユーザーが関心を寄せやすい最新情報に焦点を当てるため、フロー型コンテンツをきっかけにして、Webサイトへの流入を促す役割があります。

    時事性の強調

    最新のトピックやトレンドに焦点を当てるため、時事的な情報に敏感なユーザーへ訴求する役割を担います。

    ソーシャルシェアの促進

    トレンドに敏感なコンテンツは、ソーシャルメディアでのシェアや拡散が期待できます。爆発的なアクセス、いわゆる「バズ」を生み出す可能性があります。

    このような役割を持つフロー型コンテツの運用は、短期間で訪問者数を増やしたい場合に有効です。ただしメリットを享受できる一方で、コンテンツの価値が特定時期に限定されがちなので、アクセス数を維持するためには常に新しい情報を発信し続ける必要があります。人的リソースと予算に限りがある場合には、デメリットとなるでしょう。

    ストック型コンテンツの役割・メリット・デメリット

    長期的な価値の提供

    ストック型コンテンツは「エバーグリーン」な情報や専門的な知識を提供し、長期的な価値を読者に提供します。エバーグリーンコンテンツとはWebマーケティングの場で使われる用語。葉が落ちず常に青々と茂っている常緑樹になぞらえ、継続する価値を持つコンテンツをそう呼びます。

    リピーターの維持

    ユーザーが知りたい普遍的で価値のあるコンテンツはWebサイトに定期的に訪れる理由となり、リピーターやファンを増やす役割を担います。

    SEO効果の最大化

    検索エンジンでのランキングを維持しやすく、長期的な自然流入を確保します。特定のキーワードやトピックでの検索結果に安定して表示されます。

    ブランドの専門性や信頼性の構築

    専門的な解説や知識を提供するストック型コンテンツは、企業やブランドの専門性や信頼性を高めるのに役立ちます。

    ストック型記事は一度制作してしまえば、その後のメンテナンスに時間をかける必要がないメリットもあります。また一時的なトレンドやニュースではなく、長期的に役立つ情報を提供するため、記事を蓄積していけばいくほどWebサイトの有用性と価値も高まっていきます。ストック型コンテンツ自体が「資産」となるのです。

    一方で効果を発揮するまでには、ある程度の時間がかかります。そしてコンテンツの内容を充実させる必要があり、品質を意識した記事制作と管理を行うにあたってはコストがかかります。

    コーポレートサイトでは両方のコンテンツタイプを理解して、バランスよく組み合わせる運用が大切です。そうすることでそれぞれの特性が十分に活かされて、相乗効果を発揮します。

    企業のサービスサイトでの具体的な事例

    実際の運用をイメージするために、実在するWebサイトの構成例を見ていきましょう。

    クラウド型の国産CMS「Crefar」のサービスサイト

    本記事を提供する兼松グランクス株式会社が運営する「Crefar」は、専門知識がなくても簡単にホームページを制作できるクラウド型のCMSです。Crefarのサービスサイトは、フロー型とストック型コンテンツのバランスに配慮して運営されています。

    機能紹介や料金プランといった変更頻度が低い固定的なページを設置しているほか、最新ニュースを届ける「Crefar News」で鮮度の高い情報を提供します。そして「導入事例」と「お役立ち情報」というストック型コンテンツで、何度も訪れるユーザーへ有益な情報を提供できるよう配慮しています。

    事例は導入企業へのインタビューをもとにしており、記事が増えれば増えるほど、さまざまな業種や規模の会社をカバーします。そうすることで自社にマッチした事例に遭遇しやすくなり、意思決定を後押しします。

    お役立ち情報では、主にWebマーケティングやホームページ制作・運営に関する知識とハウツーを提供しています。Crefarを導入済みのユーザーに向けて、ためになる情報を提供することはもちろん、同ジャンルでの悩みや課題を抱える方々の助けになりたい想いがあります。

    また時期が限定されず、短期間で価値に変化が生じないストック型コンテンツを蓄積していくことでSEO対策としても効果を発揮します。さまざまなキーワードが記事内に散りばめられていくため検索でヒットしやすくなり、サービスを知らない層がWebサイトへ訪れる可能性が高まります。ストック型コンテンツはリピーターやファンの獲得ばかりでなく、サービスの認知度を高めたり、アプローチの間口を広げたりする役割も担うのです。

    まとめ

    フロー型コンテンツは最新情報やトレンドに焦点を当てて即時的な興味関心を引き寄せ、新規ユーザーの獲得やソーシャルシェアを促進します。一方、ストック型コンテンツは長期的な価値を提供し、リピーターの獲得やSEO効果の最大化、ブランドの専門性や信頼性の構築に貢献します。
    訪問者のニーズに応える価値ある情報提供は、ビジネスの成長を加速させます。フロー型とストック型のコンテンツを効果的に活用したホームページを制作して、企業の魅力を最大限に発信しましょう。

    ただし、フロー型コンテンツと比較して、ストック型コンテンツの制作や運営には一定の労力と運用の経験が必要になります。記事執筆の手配や監修作業、定期的な更新、品質管理、SEO対策の見直しなど、継続的で専門的な取り組みが求められます。
    もしストック型コンテンツに関してわからないことがあったり、不安を感じたりしている場合は、ぜひお気軽に兼松グランクスにご相談ください。私たちは豊富な経験と専門知識を活かして、最適なコンテンツ戦略をご提案いたします。